Targets

寄付助成内容

芸術・文化・教育の分野を通じて、人間性豊かな社会を創る活動を支援

近年は日本文化を海外へ広める活動への支援に特に重点を置いており、災害復興や人道的見地からの支援も必要に応じて行っています。

研究活動への支援

日本美術研究の国際的発展に寄与することを目的として、日本美術を研究する海外の大学や研究機関を支援しています。主な実績に、ドイツのハイデルベルク大学 東アジア美術史研究所の「石橋財団日本美術史客員教授プログラム」、イギリスのイーストアングリア大学を拠点とするセインズベリー日本芸術研究所の「石橋財団レクチャーシリーズ」および「石橋財団日本学サマーコース」、イタリアのミラノ大学 文化・環境遺産学部「国際シンポジウム」などがあります。

寄付助成先
イーストアングリア大学

日本の文化・美術に関する修士課程の創設を目指したサマーコース。2018年-2021年の夏休み期間中の3週間(2020年、2021年はコロナ禍のためオンラインのみ)で日本美術史・日本考古学・文化遺産学等を集中的に学ぶ。2020年9月には当初の目的であった「学際日本学修士課程」が創設された。

写真:2019年の石橋財団 日本学サマーコースより、フィッツウィリアム博物館とケンブリッジ大学図書館への研修旅行。[写真提供]セインズベリー日本藝術研究所

人材育成への支援

日本の文化を海外に発信できる人材の育成を目的としています。代表例には、美術史を専攻して海外留学を希望する大学院生を対象として2011年から実施している「JEES・石橋財団奨学金」、日本美術の修士号、博士号取得者を対象として2018年に始まったアメリカ・ボストン美術館の「日本美術キュレーター育成プログラム」があります。

JEES・石橋財団奨学金 美術史留学体験記:3MB

国際交流への支援

日本美術を広く海外へ紹介するきっかけ作りとして、キュレーターや研究者の国際交流を深める支援を行っています。代表例には、日本の現代美術に興味を持つキュレーターの国際ネットワーク育成を目的として国際交流基金が運用する「現代美術キュレーター等交流事業」、海外で日本美術を研究する研究者やキュレーターに日本における調査・研究の機会を提供する「日本美術リサーチフェローシップ」が挙げられます。採用者は、帰国後それぞれの国で日本美術を紹介する活動を展開しています。

寄付助成先
独立行政法人 国際交流基金
寄付助成対象事業
石橋財団・国際交流基金 現代美術キュレーター等交流事業

日本の現代美術に興味を持つキュレーターのグループを海外から10日間ほど招聘し、国内各地をまわって日本の学芸員と交流や共同活動を行うプログラム。

写真:フランスグループの直島(香川県)訪問(2023年2月)。[写真提供]国際交流基金

寄付助成先
独立行政法人 国際交流基金
寄付助成対象事業
石橋財団・国際交流基金 日本美術リサーチフェローシップ
研究テーマ
伝統的な刺し子とその現代的意義

海外の研究者やキュレーターに日本で最長2か月間、調査研究等の機会を提供するプログラム。

写真:2022年度採用フェローのManeet Kaur博士(インド、中央)。八戸工業大学感性デザイン学部におけるプレゼンテーションの様子(2022年8月)。[写真提供]国際交流基金

美術館活動への支援

日本美術を所蔵する海外の美術館にも積極的に支援しています。展覧会図録制作やデータベース構築など、具体的な成果が得られる事業を主な対象としています。

「Love, Fight, Feast 」展カタログ、リートベルク美術館(2021年)

寄付助成先
リートベルク美術館(スイス)
寄付助成対象事業
「Love, Fight, Feast」展の開催
寄付助成年
2021年

「Lines from East Asia - Japanese and Chinese Art on Paper」展カタログ、
スイス連邦国立工科大学チューリッヒ校 版画美術館(2022年)

寄付助成先
スイス連邦国立工科大学チューリッヒ校 版画美術館
寄付助成対象事業
「Lines from East Asia - Japanese and Chinese Art on Paper」展カタログ製作費
寄付助成年
2022年

特別助成

創設者石橋正二郎の遺志を受け継ぐ久留米市美術館(福岡県)に対し、展覧会の開催や施設改善などを通じた支援を行っています。また、創設者が建設資金を支援して1956年に完成したヴェネチア・ビエンナーレ日本館(設計・吉阪隆正、イタリア・ヴェネチア市)は長い年月の間に傷んだり、手を加えられたりしていました。同館を後世まで維持活用できるよう、伊東豊雄氏に設計を依頼して原設計の意図を回復する改修工事を行い、寄贈しました。

寄付助成先
独立行政法人 国際交流基金
寄付助成対象事業
ヴェネチア・ビエンナーレ日本館修復
寄付助成年
2014年

写真:ヴェネチア・ビエンナーレ日本館 [写真提供]国際交流基金 Photo by Peppe Maisto

災害復興支援・人道支援

災害復興や人道的見地からの支援も必要に応じて行っています。
東日本大震災(2011年)に関しては、2016年までの間に、被災者と地域復興への貢献を目的として、芸術・文化・教育の分野で活動する団体を中心に、延べ44件の支援を行いました。また、2022年には、日本に避難したウクライナの方々が日本語を習得できるよう、初級日本語教材の開発を支援しました。

石橋財団 東日本大震災復興支援総括:3.4MB

日本語教材「あおぞら」

寄付助成先
公益社団法人 国際日本語普及協会
寄付助成対象事業
ウクライナ避難民のための初級日本語教材開発
寄付助成年
2022年

[画像提供]公益社団法人 国際日本語普及協会