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ごあいさつ

石橋財団は1956年、創設者石橋正二郎による芸術・文化への貢献を永続的なものとするために設立されました。以来、常に時代に先駆けるという創設の意志を受け継ぎ、東京・京橋のアーティゾン美術館を中心とした美術館事業と、芸術・文化・教育活動を支援する寄付助成事業を二本の柱として活動を続けています。

構想より約10年をかけて2020年1月に開館したアーティゾン美術館は、前身のブリヂストン美術館のDNAを未来に向けて発展させる大きな一歩となりました。施設の一新はもとより、最先端のITを導入するなどして、美術館のコンセプトである「創造の体感」を伝える快適な鑑賞環境を実現し、石橋財団コレクションを広く一般に公開しています。

また、総合美術館に向けた活動として、展覧会の多様化、教育普及の充実、作品収集の拡大を図り、時代や国境を越えた芸術の奥深さをわかりやすく伝える努力を続けています。作品の保存・修復、調査研究に関しては独自に石橋財団アートリサーチセンター(ARC)を設け、未来への文化財の橋渡しに積極的に取り組んでいます。

寄付助成事業については、「芸術・文化・教育の分野を通じて、人間性豊かな社会を創る活動を支援する」というコンセプトのもと、特に近年では「日本の文化を海外に広げる活動」の支援に注力しています。研究活動への支援、人材育成、国際交流の推進といった事業がその中心となっており、寄付助成の国際比率は50%を超えています。また、社会の手の届きにくい領域にも目を配っており、必要に応じて災害復興支援や人道支援なども行っています。

今後も創設者の言葉である「世の人々の楽しみと幸福の為に」という理念のもとに、公益法人として芸術・文化への貢献を果たし、日本国内における活動とあわせて、国際的な交流に向けても一層の努力を重ねていきたいと考えております。

公益財団法人 石橋財団
理事長 石橋 寬